障害年金っていくらもらえるの?

当記事は、CLOUD STATION様の公式ブログで掲載いただいたものと同内容です。

目次

はじめに

私たちは、元気で過ごせている時は、ついついその状態を当たり前のように感じてしまい、慌ただしく毎日が流れていく中でいちいち健康に感謝する、ということは、なかなか難しいように思います。
いつものように働いて、いつものように買い物に行って、帰宅後は目を回しながら家事をして・・・。

そんな、今までいつもそこにあった、当たり前の生活が送れなくなってしまったケース(脳出血などで後遺症が残ってしまい、肢体が不自由になってしまった等)を、一度想像してみましょう。

元気な時は、毎月のお給料や貯蓄などで生活を支えていると思います。健康な状態であれば、日常の家事や、お子さんの世話をする場合にでも(年齢等により負荷は変わってくると思いますが)身体も動くと思います。
しかし、突然の病気や障害に見舞われてしまった場合は、どうやって今までのように生活を回していきますか?

収入面では、お勤めの方など、健康保険から一定期間の給付がもらえている間などはまだ良いと思います。
しかし、もしその給付が打ち切りになる頃になっても、ご自身の健康状態が通常モードに戻っていなかったとしたら、その後どうやって生活していけば良いでしょうか?

障害年金は、そういう時のための保険のようなものです。
前回の記事では、障害年金は、病気やケガなど人生で予想外の事態が発生した場合に、私たちの生活にとって大切な収入の支えとなるものであることをご説明しました。

今回は、もし実際に障害年金を受給できるようになった場合に、いったいどれくらいのお金がもらえるのか、一緒に見てみましょう。

受け取れる年金の種類

「障害年金」と一括りに呼んでしまっていますが、細かく言えば「障害基礎年金」「障害厚生年金」「障害共済年金」*の3種類があります。

病気やケガで初めて医師の診察を受けたとき(「初診日」といいます)に国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、お勤めの方などで厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」を請求できます。

公務員などが加入する共済組合の組合員であった期間中に初診日があれば「障害共済年金」を請求できることになります。

*共済年金は2015年10月に厚生年金に統一されました。そのため、2015年9月以前に障害年金の受給権が発生した方で、その時に公務員や私立学校の職員だった方は「障害共済年金」を受給することができます。一方、2015年10月以降に受給権が発生した場合には「障害厚生年金」が適用されます。

もし過去にさかのぼって障害年金の支給が認められる場合、2015年9月30日以前にその権利があったと認定されれば、「障害共済年金」が支給されることになります。

障害共済年金の基本的な仕組みは障害厚生年金と同じなので、この記事では、障害基礎年金と障害厚生年金に絞ってお話しをしていきます。

障害基礎年金(国民年金)

初診日において、自営業・主婦(夫)・学生さんなどの国民年金に加入中の方や、子どもの頃からの障害をお持ちの方が20歳を過ぎた時、障害基礎年金の請求をすることができます。

障害基礎年金は、国民年金に加入した期間に関係なく定額が支給され、障害の重さ(障害等級)に応じてもらえる金額が異なり、1級と2級が存在します。

障害年金の金額は、その年度(4月〜翌年3月)ごとに変わりますが、令和5年度では、1級は993,750円/年、2級は795,000円/年になっています。

障害基礎年金を受給している場合、一定の条件を満たすお子さん*がいる場合は更に金額が上乗せされます。お子さんに対する加算額は、1人目と2人目が各228,700円/年、3人目以降は76,200円/年です。

*通常は18歳到達年度末(高校卒業時)までのお子さんが対象ですが、そのお子さんに一定の障害がある場合は、その加算を20歳になるまで受け続けることができます。

ただし、お子さんの前年の収入が850万円未満である必要があります。
なお、障害基礎年金を受給中に新たにお子さんが誕生した場合には、また加算がつきます。
障害基礎年金を受給されている方にお子さんが生まれた場合には、市役所や年金事務所に届け出ましょう。

障害厚生年金(厚生年金保険)

今度は障害厚生年金についてみていきましょう。

障害厚生年金の金額は、障害基礎年金とは違って、どれくらいの期間にわたって厚生年金に加入していたかどうかや、お給料の額(支払っていた厚生年金保険料の金額)によって変わります。(「報酬比例」といいます。)

障害厚生年金の障害等級は1級・2級・3級があります。(1級が最も重度)

障害等級が1級または2級の場合には障害基礎年金も併せて支給されます。そのため、1級・2級に該当すれば、老後の年金(老齢厚生年金)と同様に、2階建ての年金を受け取ることができます。

3級の場合には障害基礎年金は支給されないため、最低保障額が設定されています。(障害厚生年金3級の最低保証額は596,300円/年)
なお、1級から3級に該当しないような、比較的軽度の障害がある場合には、障害手当金として一時金が支給される場合があります。(障害手当金の最低保証額1,192,600円)

障害厚生年金1級または2級を受給している場合であって、一定の条件を満たす配偶者*がいる場合は更に加算されます。配偶者に対する加算額は、228,700円×改定率が加算されます。

*対象となる配偶者は、65歳未満かつ収入850万円未満である必要があります。

受給が決定したら、いつ振り込まれるの?

障害年金は、老齢年金と同じく、偶数月(2月、4月、6月、8月、10月、12月)の 15日に、指定した金融機関口座に振り込まれます。偶数月の15日に銀行のATMが混雑するのは、有名な話ですね。

もし、その月の15日が土・日・祝日の場合はその直前の営業日が年金支給日になります。

原則は偶数月のみに支給されますが、初回の受け取り時や、過去にさかのぼって年金が支給される場合などは、奇数月であっても支給されることがあります。

おわりに

今回は、障害年金を受給できることになった場合に、一体どれくらいの金額が受け取れて、生活の支えとなるのか見ていきました。
ご病気や障害があると、日常生活や労働が制限されてしまうことで、お金の面での不安が大きくなることが予想されますが、もし障害年金が受給できれば、定期的な年金収入によって生活がより安定し、将来に対する不安の軽減にもつながると思います。

最後に、いまは確定申告の時期なので、少しだけ税金の話をしたいと思います。

障害年金は非課税であるため、所得税や住民税を引かれることがありません。その年の収入が障害年金のみであれば、確定申告をする必要もありません。(老齢年金の場合は、課税所得に該当するため、雑所得として所得税の対象になります。確定申告も必要です。)
そのため、障害年金と老齢年金のどちらかを選択できる方は、税金等も考慮して、お手元に入る金額が大きい方を選択すると良いと思います。ご不安な場合は、社会保険労務士などの専門家に相談すると良いでしょう。

まつもと社会保険労務士事務所は、障害年金の申請に力をいれている事務所です!お問い合わせお待ちしております。

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